初めまして「 けん 」といいます!
私は2005年1月「小売業(雑貨)」のフランチャイズで独立! 90坪の店舗で営業を始めました。しかし2009年土地の問題により閉店。
その1年後、新たな場所で出直し。20坪の小さな店で同フランチャイズにて営業開始、現在に至ります。
初めて独立開業をお考えの方、フランチャイズに加入をお考えの方の参考になればと思い、「フランチャイズ選び」から「閉店を経て現在に至るまで」を書かせていただきました!
悲しいことに退社・・・ あてもなく就職? 独立?
2003年会社都合により退社!準備もなく、やりたい仕事もなく時間だけが過ぎて行きました。 失業手当が出たことから、手に職をつけようと「たこ焼き、お好み焼き学校」で学びました。
職業安定所で仕事探しもしましたが、自分が「何の仕事をしたいか?決めかねていた為、なかなか就職もできませんでした。
フランチャイズと初めて出会ったのは本屋さんでした。仕事のヒントを探しに行ったのがきっかけです。
そこで見つけたのが、フランチャイズの本です。 写真が多く、たくさんの職種が載っていた為、迷わず購入しました。
自分は「やりたいこと」が漠然としていたので、本の中から色々な職種を選び、興味のある物を片っ端から「フランチャイズ資料請求」しました。
メディアに露出が多い物、町に根付いているものが目に留まりますが、あまり気にせず幅広く資料を請求しました。
資料を基に町の人口や男女比率を調べ、売り上げシュミレーションもしました。売り上げに関してはシュミレーションしてくれる会社もあります。資料は副業するにも、としても充実しています。 一生の事ですし、資料は「タダ(無料)」です。
出来るだけ多くの資料を集め検討してください。
起業のためのノウハウを【フランチャイズサポート】<資料請求>
フランチャイズショー、企業展に行く
資料請求後、各地で行われたフランチャイズショーやフランチャイズ説明会に参加し、話を聞きました。本に載っていない企業も参加している為、ここでも幅広く資料を集めることが出来ました。同じような職種がある時はライバルと比較し、特徴を把握しました。
ライバルが多い業種は嘘や大げさに話してもすぐばれます。興味のある企業は何でも話を聞きました!質問に対しては各担当者が丁寧に教えてくれます。
しかし、ここで担当者が答えを濁したり、時間を気にしたり、担当者では答えられない質問を上司に答えを求めず、担当者自身が「こう思いますけど」と言う企業は?と思いました。
いくら優良企業でもリストから消しました。 さりげない一言ですが加盟者を大切にしてくれるか私には疑問でした。
質問はフランチャイズシステムについてや、必要資金等、基本的なことを聞きました。会社によっては実店舗のデーターを持ってきている所もあり、説明に真剣さが伝わって来ました。良く耳にする、利益率については頭の片隅に置いておくだけにしましょう。
「70%、80%ある。」と言っている所もありますが、売値が固定されていない店は、大抵ライバルで左右されます。数字は初心者にとってインパクトが強いです。
実店舗を見て、経営者(オーナー)の話を聞くまでは重要視しないでください。
フランチャイズ説明会だけでは、各店舗の利益や問題点は話してもらえないことが多いです。個人情報の部分もありますし、この点は仕方がありません。
企業展の情報です。十分にご検討下さい。
実店舗へ行き,話を聞く
説明会参加後、実際に各店舗へ行き直接話を聞きました。オーナーは正直な方が多いです。いろいろ教えてもらいました。売り上げの良い店、悪い店ではフランチャイズ本部に対する印象が違うのが当たり前と思っていましたが、売り上げが良い店からも「ここ辞めた方がいいよ」という声もありました。
理由もしっかりと説明していただきました。長くやっている方でも「契約上で」やっているオーナーも見えました。多店舗展開=高収入、でもない事が解りました。
土地柄により売り上げも違うことも解りました。(これは自分の立場での感想です。)フランチャイズに加入することは自己責任です。
加入してから「本部のサポートがない。遅い」ではダメです。
十分調査してから加入の検討をしてください。
店舗は結局「どれだけ売るか」です。ネット店でも同じです。 良いフランチャイズを選び、良い人生を得てください。
出来る限り一人で決めない方が良いです。周りの人の意見を参考にしてください。
フランチャイズに加入!
最終候補には「ラーメンフランチャイズ」も残りましたが、2004年後期、物販系フランチャイズに加入しました。自分がこのフランチャイズを選んだ理由は、値付けが自分で出来ること、ネット販売が可能なこと、商品を自分で選べることでした。
今では同店が全国に100店舗以上ありますが、当時は30店舗もなくライバルも少なかったです。
資金は「国民生活金融公庫」で借り入れました。担保や保証人で苦労しましたが、今は保証人や担保が要らない制度もあるみたいです。オープン前に苦労した点は人集めです。
パートさんの募集で、男性がなかなか集まりませんでした。地域に高校は1校しかなく、大学はありませんでした。このあたりも原因かもしれません。
いざ開店!
初日は行列が出来ました。1月のオープンにもかかわらず寒い中、数時間前から並んでいただきました。1週間ほどで落ち着きましたが、商品が足りず店の中はガラガラになりました。
今のように景気の悪さを感じなかった時期です。その後は平穏に経営を続けましたが2007年ごろから景気の落ち込みを感じ始めました。
100円均一が流行り、店の商品も安い物を入れざる負えなくなりました。100円均一を基準にして物を買う人が増えました。
いつしか100円が「雑貨の基準」になってきました。
忍び寄る不況と売り上げ減少
2008年に入ると売り上げが徐々に減少してきました。デフレの影響が強い!売り上げ商品の点数はほとんど変わらないが、売れる商品単価が下がっている。安い物が中心に売れる。
そこで本部に相談しましたが、本部には専門の担当者はいませんでした。売り上げは直接パソコンで本部につながっています。
そして彼らは売り上げを見ることが出来ます。とりあえず自分で「セールの広告」を新聞折り込みに入れました。 次に手差し広告を作り各家庭に配り、店内のレイアウトも変更しました。
1か月ぐらいは何とかなりましたが、やはり売り上げは徐々に下がってきました。加盟者は本部に頼ります。何事にも対応が出来る本部選びが大切です。
自分には初めての経験。やはりきついです。ここは工業中心の地域です。
外国人のお客さんの売り上げが大きかったです。徐々に外国人が帰国や配置転換で違う土地へ行き、はっきり言って「やばい!」と直感しました。リーマンショック前でしたが、飲食店や事務所の閉店が増えていました。お客さんだった、人材派遣会社も減ってきていました。
頼りになる地元商工会
独立して初めての商売だったことから、地元の商工会に加入していました。商工会は地元を守る意識が強いです。
今回の売り上げ減少のことを相談すると、中小企業診断士を紹介してくれました。相談は無料でした。店舗に3人の中小企業診断士が来てくました。店の売り上げや、店舗内を把握。1週間後「店舗分析」がされた資料が届きました。
商品の選定、店舗レイアウト、時間、曜日の分析、宣伝等、こと細かく記されていました。 その資料に従い変更。月の売り上げは下げ止まり傾向になりました。
ですがこれから先を考えると油断はできませんでした。ここで初めて商工会に入ったメリットの大きさを確認しました。
半期6300円ですが、毎年確定申告の手伝いをしてもらい、 SNSの利用やホームページ作成等の格安講習や無料公演もあったので参加しました。
今でもずっと気にかけてくれています。時折、来店して売り上げ状況も心配してくれます。
「フランチャイズ契約」はしっかりと確認!
2008年10月。ついにその時が来ました。 店の電話が鳴り電話を取ると、お客さんではない。
「フランチャイズ店舗契約」時に立ち会った不動産屋でした。
「オーナーですか?、重要なお話があります。」と切り出してきた。このことを思い出すと、今でも緊張します。
混乱して何を話たか覚えてはいない。しかし「2009年5月で店の土地が使えなくなること」だけは理解できました。この後、すぐフランチャイズ本部からも連絡が入りました。
ここで初めて「閉店」が現実になりました。開店してまだ3年半で、当然借金もあります。
フランチャイズ契約は以下のものでした。
1.フランチャイズ本部とフランチャイズ契約を結ぶ。
2.店舗探しを本部が始める。(店舗がなかなか見つからず、6か月を要したが決定。)
3.土地を契約(本部、不動産屋、土地を貸した大手企業、自分の四者立ち会い)店舗は300坪ほどの土地に2棟建っていました。
1棟は服屋。もう1棟は靴屋。「大手の企業が地主から土地を借りて」服屋と靴屋を建てました。しかし靴屋が利益が出ない為、貸すことにしたらしく、自分はこの大手の会社から靴屋を借りることになりました。
この土地の契約は地主と大手企業の契約でした。
自分は、地主との直接契約でありませんでした。この大手企業と地主の契約は2009年5月まででした。大手企業との土地契約が終わると同時に、地主が大手企業との契約を打ち切りました。
そして両建物の取り壊しを決めました。巻き沿いを食ったのは自分一人でした。
この契約は「定地借地契約」でした。
土地の契約は自分、本部、大手企業、不動産屋の四者契約でした。大家は含まれていませんでした。大手企業担当者いわく「2009年5月以降は地主との契約になるから、家賃をもっと安く出来るよ。」と言うような話でした。
「定地借地契約」がこれほど不利になるとは思ってもいませんでした。 契約の時は、「地主を立ち会わせるべきで、書面に残すべきでした。」
今考えるとおかしな話。自分は開店時地主の所へ挨拶に行き開店日も連絡しました。しかし開店の日、地主は来ませんでした。この地主は開店から閉店まで、1度も来店しませんでした。
店まで歩いて5分です。もう先のことを考えていたのでしょう。自分と話すことが多くなれば情が移ります。大手企業は知っていた可能性もあります。
知らなかったのは自分、不動産屋、そしてフランチャイズ本部。本部の担当者は若かった。経験がなさ過ぎた。自分も悪かった。
「自己責任」です。2009年5月閉店。 7月建屋取り壊し。 開店からわずか3年半。
今ではこの場所に農協が建っています。
閉店までの短い時間
2008年10月から閉店までは6か月。短い。店舗の運営をしながら、今後の対応しなくてはなりませんでした。6か月で店舗探しをしなくてはなりません。
100坪近い店舗はなかなか見つかりません。担当した不動産屋が探してくれました。本部の担当者も探してくれました。移転先の規模により、在庫も調整しなくてはいけません。
店が小さくなれば余分な在庫は持てなくなります。しかし、今の店の規模で在庫を減らすと売り上げが落ちることは目に見えています。フランチャイズ契約についても、本部、大手企業に確認しなければなりませんでした。
一人では契約上の問題は解決できないと思い、商工会に相談しました。商工会では商工会員(入会している個人や企業)ごとに担当者がいるので、いつでも店舗の相談はできました。
担当者に相談すると至急、商工会推薦の弁護士さんを紹介してくれました。
今回のケースについては「フランチャイズ契約」の内容に記されていませんでした。
はっきり言って「どうにもならないこと」だと思いました。しかし確認したかったことは、「又貸し」した大手企業が始めから契約終了後に他に土地を売ることを知っていたか?フランチャイズ本部が「契約外でどこまで歩みよってくれるか?」です。
本部が、「定地借地店舗」を推薦した責任をどうとらえるか?です。たった3年半で閉店です。
交渉の電話は自分自身が掛けました。ですが、本部の責任者は対応してくれません。
やはり個人は弱いです。その後、弁護士さんから電話を入れてもらうと、すぐに責任者が対応しました。
相手も下手なことは言えません。これで交渉は進みました。
交渉結果
土地を貸した大手企業からは、地主との土地契約内容を聞くことが出来ました。 しかし「地主が、土地を手放す時期」のことまでは知らなかったようです。
フランチャイズ本部との契約では、フランチャイズ契約期間をなくし、不利にならない条件で再契約(特別契約)を入れました。弁護士さんには、とても感謝しています。
今回の交渉費用は1回の相談(無料)と3回の電話交渉で5万円でした。フランチャイズ本部との特別契約もでき、これから先、何かあった時の支えにもなり、本部に突き付けれます。
現在の店舗
現在は20坪の店でも営業はできていますが、この先を考えると不安です。
フランチャイズ契約は、トラブルが起こらないようにしっかりと確認してください。
最終的には「自己責任」です。 フランチャイズ加入は、成功への近道だと思いますが、私のような「遠回り」をしないように「石橋をたたいて」契約をしてください。
長々と文章を読んでいただき、貴重なお時間誠にありがとうございました。
追記
・サイドバーに「リサイクルショップ買取店開業のヒント」、「おそうじ業開業のヒント」、「自動車リペア店開業のヒント」を追加しました。
自分の周りにいる人の本当の話しです。(2014年12月)